シャンボール城と、入ってきたばかりのルネサンス(1/3)




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このお城は、パリから150kmの、ロワール河畔にあるシャンボール城です。 見て下さい、やたらと屋根の上に塔が立ってますね。 近くで見ると、塔が密集していて、いかにも載せまくったという感じです。 なんでこんなワサワサと小塔が生えたお城が出来たのだろう?、と不思議に思いませんか?。 ここでは、このお城の生い立ちについて、皆さんと一緒に考えて見ましょう。



















このお城は、フランスがルネサンス建築を移入し始めたばかりの頃に建てられました。 時は15世紀末。フランスは、イギリスとの百年戦争を終わらせた直後です。 ジャンヌ=ダルクの活躍もあって、 フランスは挙国一致してイギリス軍を大陸から追い払う事に成功しました。 しかしこのあとフランスは、イタリアに攻め入っています(1495-1525)。 恐らくイタリアの都市国家の王位継承権で、モメごとを起こしたのでしょう。


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この時の遠征で、フランス人達は初めてイタリアのルネサンス建築に触れます。 ご存知のようにルネサンス自体はもっと前から始まっていたのですが、 ルネサンス建築は、まだこの時期にはイタリア以外の国にはよく知られていませんでした。 まだ極めてローカルな建築様式だったのです。


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一説にはレオナルド・ダ・ヴィンチが設計した??
という2重螺旋階段



攻め入ったフランス人達は、ルネサンス様式の館に泊まったと思われます。 ルネサンス様式の館の正面には古代ローマ様式のオーダー(柱)が立ちならんでいて、 全体はシンメトリー(左右対称)で整然としていた事でしょう。 フランス人達はこれをいたく気に入ったようです。 というのは、さっそく何人かのイタリア人建築家を遠征みやげに連れて 帰って、自国フランスにルネサンス建築を作らせようとしているのです。


それでまず作った(或いは増築した)のが、ロワール川沿いのいくつかのお城でした。
ではこれからシャンボール城についてご説明しましょう。


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続く−−→